GASTRIC ULCER

胃潰瘍

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胃潰瘍

潰瘍とは

胃潰瘍は、胃の粘膜が何らかの原因で深く傷ついてしまうことで起こります。潰瘍とは粘膜がただれたり、崩れ落ちたりするという意味です。胃壁は、表面に粘膜層があり、その下に粘膜下層、筋層、漿膜などで構成される層構造になっていますが、炎症による傷が粘膜層を越え、粘膜下層以下まで深く入り込んだ状態を医学的に潰瘍と呼びます。ちなみに、傷が粘膜層に留まっている状態を「びらん」と呼びます。
胃潰瘍は、ストレスやピロリ菌感染、非ステロイド性抗炎症薬、悪性腫瘍などが原因で、胃液の中の胃酸やペプシンなどの消化酵素と粘膜の防御機能のバランスが乱れ、粘膜が破綻してしまうことで起こります。そのため、胃潰瘍は消化性潰瘍と呼ばれることもあります。

胃潰瘍とは

潰瘍の症状

1.心窩部痛(みぞおち辺りの腹痛)

胃潰瘍の自覚症状としては多くの患者様にあらわれる症状が、みぞおちの辺りの痛みです。医学的にみぞおちの部分を「心窩部」と言いますのでこの部分の痛みを心窩部痛と言います。
胃潰瘍の場合、食後に痛みが起こることが多く、多く食べた場合その痛みが長時間続く傾向があります。なお、十二指腸潰瘍の場合、食間・食前の空腹時に痛むことが多くなります。
胃潰瘍による心窩部痛は、必ずしも重症度に比例するわけではなく、かなり潰瘍が進んでも痛みがあらわれないケースもあります。放置すると傷がどんどん深くなり、胃壁に孔があいてしまう「穿孔性潰瘍」になると緊急手術が必要になることもありますので、少しでも違和感を覚える時にはお早めに受診してください。

2.吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少

胃潰瘍では、胃酸過多の状態になっていることがあります。胃酸が分泌されすぎることによって、さらに胃壁を傷つけると同時に、胃酸が食道方向へ逆流し、胸やけ、呑酸(すっぱいものが上がってくる)といった症状があらわれ、さらに吐き気や嘔吐が起こると食欲が低下し、体重減少に繋がります。

3.吐血

潰瘍がすすみ、粘膜下層に通っている血管を破ってしまうと、出血が起こります。激しい出血の場合、吐血となります。消化管出血した場合、吐下血の前兆として吐き気やめまい、冷や汗、脈拍の乱れ、血圧の低下などの症状があらわれることがあります。時には激痛を伴うこともあります。この場合、胃カメラだけでなく、輸血を含めた集中治療が必要となることがあります。

4.下血

食道や胃、十二指腸など上部消化管からの出血が、腸へと運ばれ便とともに排出されるのが下血です。胃潰瘍の場合、胃液が混じってどす黒い色となり、また出血から時間が経過して酸化し、黒いべとべとした便となります。これをタール便と言います。下血の症状があったらすぐに受診してください。

5.背中の痛み

胃潰瘍の痛みは心窩部に起こることが多いのですが、潰瘍が重症化してきた場合、背中にも痛みが生じることがあります。また炎症が膵臓に及んだ場合も背中に痛みが起こります。

6.口臭、酸っぱいゲップ・胸やけ

胃潰瘍から胃酸過多を起こすと、胃酸が食道へと逆流し、独得の口臭を発することがあります。同時に、胸やけ、呑酸(すっぱいものが上がってくる)、吐き気・嘔吐などがあらわれることもあります。口臭は慢性胃炎や胃下垂、肝炎などでもあらわれます。

潰瘍の原因

1.ストレス

急激に起こる強いストレスによって急性胃潰瘍を発症することがあります。またイライラした状態や不安、緊張などが続いたり、睡眠不足や疲れた状態が続いたりすることで、自律神経が乱れ胃の防御システムと消化システムのバランスが乱れ、胃潰瘍になることがあります。

2.ピロリ菌の感染

もともと胃潰瘍はストレスが原因と考えられていたのですが、20世紀終わりごろに発見されたピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)による胃粘膜の炎症が胃潰瘍や胃がんなどを発症させていることが分かりました。現在は胃潰瘍の原因の大半がピロリ菌感染によるものと考えられています。胃がん予防のためにもピロリ菌陽性の場合、除菌治療を行いましょう。

3.刺激の強い香辛料や熱すぎ冷たすぎる飲食物の過剰摂取

激辛の食べ物や、熱すぎ、冷たすぎの食べ物を過剰に摂取することで、胃粘膜が刺激を受け胃潰瘍の原因となることがあります。

4.痛み止め薬の長期間服用

近年、問題になっているのが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる鎮痛薬の過剰服用によって起こる胃・十二指腸潰瘍です。このタイプの薬は痛みに対してシャープな効き目がありますが、誤った飲み方をすると胃の粘膜を荒らしてしまうことがあります。

5.喫煙・飲酒

ニコチンは血管を収縮させる働きがあります。喫煙によって胃の粘膜の血流が低下することで胃潰瘍になってしまうこともあります。その他、過度の飲酒などでも胃潰瘍になることがあります。

6.暴飲暴食、早食いなどの食習慣や食生活の乱れ

暴飲暴食、早食いなどの食習慣によって胃に負担がかかると胃潰瘍の原因となることがあります。また、食事をとってすぐ寝るなど不規則な時間に食べるなど食生活が乱れることでも胃潰瘍を起こすことがあります。

療方法

以前は胃潰瘍と言えば手術と結びついていましたが、近年は良い薬が開発され、ほとんどのケースでは薬物療法のみで治療できるようになりました。ただし、胃潰瘍の完治までには2~3か月が必要です。自己判断によって途中で服薬を中止してしまうと、再発を繰り返したり慢性化したりすることもありますので、医師の許可が出るまでしっかりと服用を続けてください。
その他、食生活や食習慣、刺激物や喫煙習慣など、生活習慣で気になる部分は改善し、ストレスや疲労などはできるだけため込まないよう、自分なりの解消法や休憩の取り方を工夫してみることで、再発を防ぐことができます。 胃潰瘍は、自覚症状がないまま進行していくので、定期的に胃カメラ検査を受けることを推奨しています。

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