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■年末年始に増えるお腹の不調にご注意を
12月、1月は寒さが本格化するだけでなく、忘年会や新年会など外食の増加、生活リズムの乱れなどが重なり、消化器症状が起こりやすい時期と言われています。特にこの時期、「便秘がちになった」「お腹が張る」「排便のリズムが崩れた」といったご相談が増えてきます。寒さによる冷えや運動不足、年末年始の忙しさによるストレス、食生活の変化は、腸の働きを鈍らせ、腸内環境の乱れを引き起こす大きな要因となります。年末年始は一年の疲れが表面化しやすい時期でもあるため、腸の不調を放置せず、早めに整えることが大切となります。
■なぜ年末年始は便秘やお腹の張りが起こりやすいのか
年末年始は気温が下がることで体が冷えやすくなり、血流が内臓よりも体の中心に集まりやすくなります。その影響で腸への血流が減少し、腸の蠕動運動が低下しやすくなります。さらに、年末に向けて仕事や家事が忙しくなり、運動量が減ったり、外食やアルコールの機会が増えたりすることも、腸内環境を乱す原因となります。野菜や水分の摂取量が不足しやすいことも、便が硬くなり排便しにくくなる要因と考えられています。こうした複数の要素が重なる年末年始は、腸にとって負担がかかりやすい時期となります。
■腸にやさしい生活習慣
年末年始に腸を整える対策で大切なのは、腸の動きを止めない生活を意識することです。寒い時期でも、短時間のウォーキングや軽いストレッチを日常に取り入れることで、腸の蠕動運動を促すことができます。特に朝の時間帯に体を動かすことは、腸を目覚めさせ、自然な便意につながりやすくなります。通勤前や家事の合間に、無理のない範囲で体を動かす習慣を心がけましょう。また、忙しい年末年始ほど排便のタイミングを逃しやすくなりますが、便意を感じたら我慢せず、排便リズムを崩さないことも重要となります。
■食生活で整える腸内環境
忘年会、新年会などで外食が増える12月・1月は、脂っこい食事やアルコールの摂取が多くなりがちです。これらは腸内環境を乱し、便秘やお腹の張りの原因になることがあります。そのため、日常の食事では、野菜、きのこ、海藻、さつまいもなどの食物繊維を意識して取り入れましょう。ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品も、腸内フローラを整えるのに役立つと言われていますので積極的に摂るようにしましょう。例えば鍋料理やスープに野菜やきのこを加えることで、無理なく腸にやさしい食事を続けることもできます。
■冬こそ意識したい水分補給
寒くなると喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取量が減りがちです。しかし、水分不足は便を硬くし、便秘を悪化させる大きな原因となります。冬は白湯や温かいお茶、スープなどを活用し、こまめな水分補給を意識しましょう。朝起きてすぐにぬるま湯を飲むことも、腸を刺激し排便を促す効果が期待できます。
■ストレス・睡眠不足が腸に与える影響
12月や1月は年末年始の忙しさやイベント続きで、ストレスや睡眠不足になりやすい時期です。腸は自律神経の影響を受けやすく、ストレスが続くと腸の動きが低下し、便秘や下痢を引き起こすことがあります。就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、体を冷やさないようにして、質の良い睡眠を確保することが腸内環境の改善につながります。
■腸内環境の乱れを感じた場合は消化器内科へ
生活習慣を見直しても便秘や下痢が改善しない場合や、腹痛・血便・体重減少などを伴う場合は、早めの受診が必要となります。便秘や下痢の背景には、大腸ポリープや炎症性腸疾患などが隠れていることもあります。年末のうちに原因を確認しておくことで、安心して新年を迎えることができますので、我慢することなくお早めにご相談ください。
■年末年始を快適に過ごすために
年末年始は腸内環境を整える大切なタイミングとなります。食事・運動・水分・睡眠のバランスを意識することで、寒い季節でも快適な排便習慣を維持できます。便秘や下痢などのお腹の不調を放置せず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。