FAQ

よくある質問

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よくある質問

視鏡検査全般に関するQ&A

胃カメラ検査・大腸カメラ検査の費用はどの程度かかりますか?

胃カメラ検査の費用

内容 健康保険1割負担 健康保険3割負担
初診(感染症採血含む) 1,000円前後 3,500円前後
胃内視鏡(胃カメラ)検査のみ 2,000円前後 5,000円前後
胃内視鏡検査+
ピロリ菌検査
2,500円前後 7,000円前後
胃内視鏡検査+
組織検査
3,000~5,5000円前後 9,000〜16,000円前後

大腸カメラ検査の費用

内容 健康保険1割負担 健康保険3割負担
初診(感染症採血含む) 1,400円前後 4,000円前後
大腸内視鏡検査のみ 2,500円前後 7,500円前後
大腸内視鏡検査+
組織検査
3,000~5,000 10,000~22,000円※1
大腸内視鏡検査+
ポリープ切除
7,000~12,000 20,000~36,000円※2

使用する薬剤の種類や点滴の有無などにより、費用は増減します。
※1病理組織検査は大腸や小腸の組織を一部採取し、がん細胞が含まれていないか、また炎症の程度などを顕微鏡で詳細に調べるものです。
※2大腸内視鏡検査時に大腸ポリープの切除を行った場合、病理組織検査を行います。この検査で、がん細胞が含まれていないか、またポリープが完全に取りきれているかを、顕微鏡で詳細に調べます。

胃カメラ検査・大腸カメラ検査にはどのぐらいの時間がかかるのでしょうか?

検査だけであれば、胃カメラの場合5~10分程度、大腸カメラの場合15~20分程度の時間です。事前準備や検査後の休憩時間、結果説明などを含めての院内滞在時間は、最短で胃カメラでは60〜90分程度、大腸カメラではポリープ切除などの処置を行った場合は90〜120分程度となります(無痛内視鏡の場合、鎮静剤を使用しますので、検査終了後別途30~60分程度リカバリースペースでお休みいただいております)。

自宅で行う事前準備や食事、服薬の制限はありますか?

胃カメラでも大腸カメラでも検査部分に食物の残渣が残っていると、病変がその影に隠れてしまい、見落としの原因となり得るため、前日の食事内容と食事時間に制限があります。また、大腸カメラ検査では、検査前日の夜に錠剤の下剤を、当日朝に2Lの腸管洗浄剤を飲んで大腸を完全にきれいにしておく必要があります。
普段服用されている薬の中には一時的に休薬が必要なものもあります。そのため、薬を内服されている方は、事前診察の際にお薬手帳などをご持参いただき、情報の共有をお願いしております。特に、一部の抗凝固薬(血液をさらさらにするお薬)を服用している場合、事前の血液検査が必要となる場合がありますので、特に注意が必要です。

検査日に車を運転しても大丈夫ですか?

鎮静剤を使わない検査の場合は、検査後ご自身での運転は可能です。しかし鎮静剤を使った検査の場合は、当日は終日、ご自身での自動車、バイク、自転車などの運転は禁止となります。ご家族に送迎していただくか、公共交通機関をご利用ください。

胃カメラ検査・大腸カメラ検査での感染や事故の予防はしていますか?

当院では、内視鏡検査は消化器内視鏡を専門とし臨床経験も豊富な医師陣が、先進的なの内視鏡システムを駆使して丁寧で安全な検査を行っております。その上で、機器の洗浄・消毒につきましては、患者様ごとに学会が提唱する厳しいガイドラインを遵守した徹底的な洗浄・消毒を行っておりますので、ご安心ください。

検査が可能な曜日と予約はどのようになっていますか?

当院では、平日だけではなく、土曜・日曜にも休まず内視鏡検査を行っております。原則予約制であり、診療時間内の電話予約、24時間のWEB予約で、検査日程の予約を取りいただけます。ただ、予約の空き状況次第で当日の検査もお受けいただくことが可能です。当日検査をご希望の方は当日朝から絶食の上、お電話にてお問い合わせください。

鎮静剤を使った検査は可能ですか?

はい。当院の内視鏡検査は、うとうとと眠っているような状態で、リラックスして行うことができる、鎮静剤を使った無痛内視鏡検査に対応しております。これによって検査中の苦痛をほとんど感じずに済みます。

検査結果がわかるのはいつですか?

通常の検査結果につきましては、検査終了後少しお休みいただいてから、医療スタッフが画像などを使って分かりやすく、丁寧に説明いたします。また大腸検査の場合はご希望に応じて患者様ご自身にも画像をご覧になりながら検査を受けていただくことも可能です。
ポリープを切除した場合や、精密検査が必要で組織採取をした場合は、病理検査などの結果が揃うまで2週間程度かかりますので、その後ご来院いただいて医師より最終の結果をお伝えしております。

カメラ検査に関するQ&A

胃カメラは、オエっとなるため苦手意識があります。楽に受ける方法はありますか?

胃カメラ検査の場合、口からスコープを入れるとどうしても舌の付け根の嘔吐反射のあるところを刺激しますので、嘔吐感が起こりやすくなってしまいます。そのため、鼻からスコープを入れる経鼻検査であれば、苦しさは大幅に減少します。経口・経鼻どちらも鎮静剤を使用してウトウトと寝ている状態で苦痛なく検査が受けられます。

ピロリ菌の検査をするのに、胃カメラは検査は必要ですか?

胃カメラ検査で、胃炎の所見がある場合や、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍などピロリ菌感染が疑われる場合、ピロリ菌の検査が健康保険適用になります。そのため、保険診療でピロリ菌の検査を希望される場合は、胃カメラが必要となります。ピロリ菌の検査は、尿素呼気試験、便中ピロリ抗原検査、血中ピロリ抗体検査などがあります。また判定結果が陽性の場合は、除菌治療も健康保険適用となります。

腸カメラ検査に関するQ&A

検査前に自宅で準備しておくことはありますか?

検査前日は朝から繊維質など消化に悪いものを避けた食事にしてください。夕食は21時までにいつもの半量程度でお済ませください。それ以降は禁食となります。21時ごろに事前にお渡しした錠剤の下剤を服用してください。
検査当日の朝食は抜きで、検査の4時間前より2Lの腸管洗浄剤を約2時間かけてすべて服用してください。トイレに通い、完全に便が透明になったことを確認して、便意が落ちついたらご来院ください。

大腸カメラ検査の痛みや苦痛が心配です

当院で使用する内視鏡システムのスコープは特に高機能なものを選んでおり、内視鏡検査の専門医・指導医の資格を持つ経験豊富な医師陣がスピーディでありながら丁寧な検査を行っており、患者様の苦痛は最低限に抑えることが可能です。また、検査後のお腹の張りにつきましても、腸を膨らませる気体に炭酸ガスを使用し、検査終了後すばやく吸収され肺から排出されることで、短時間に回復いたします。
鎮静剤を使用して眠っているような状態のままで検査が受けられます。
また、2Lの下剤を飲むのがつらい方には、2L下剤を服用しない大腸カメラ検査のコースもご用意しておりますので、安心してご相談ください。

大腸ポリープを切除は痛くありませんか?

大腸粘膜には知覚神経がありませんので、ポリープの切除や組織の採取で痛みを感じることはありません。また、術後の注意点については詳しくご説明しますので、その点を守っていただければ術後の出血や腫れ・痛みなどの合併症のリスクは最低限に抑えることが可能です。

検査前の食事や服薬に制限はありますか?

検査の数日前から、繊維の多い野菜や海藻、キノコ、こんにゃく、ゴマなどの穀類は避けるようにしてください。検査前日は、消化の良いものを抑え気味に食べ、特に夕食には白粥、よく煮た柔らかい素うどん、豆腐といったものを、普段の半量程度食べるようにしてください。それ以降は絶食となりますが、水分は水、お茶、スポーツドリンクなどで適切に補給してください。
普段服用されている薬の中には一時的に休薬が必要なものもあります。そのため、薬を内服されている方は、事前診察の際にお薬手帳などをご持参いただき、情報の共有をお願いしております。特に、一部の抗凝固薬(血液をさらさらにするお薬)を服用している場合、事前の血液検査が必要となる場合がありますので、特に注意が必要です。

瘍性大腸炎のよくあるご質問

潰瘍性大腸炎はどんな人がなりやすいのでしょうか?

原因が今のところ不明ですので、生活習慣や体質などでこのような人が罹りやすいということは言えません。しかし、家族内での発症例が認められていますので、何らかの遺伝子的要因が関係しているのではないかと考えられています。

潰瘍性大腸炎にはどんな初期症状がありますか?

軽症のうちはほとんど自覚症状がありません。進行してくると、腹痛、粘血便、血性の下痢などがあらわれてきます。

潰瘍性大腸炎を放置した場合どうなりますか?

放置することによって、一般的には炎症の程度が進むことと、患部が連続的に腸の奥(盲腸方向)へと拡がっていき、下痢、血便などの症状が激しくなって、貧血などが起こることもあります。また潰瘍の程度が重くなると腸管を貫通して穿孔が起こることもあります。さらに、炎症が長期化することによって大腸がんのリスクも高まります。

潰瘍性大腸炎とはどのような病気ですか?

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症が起こり、粘膜がただれたり潰瘍ができたりする慢性的な病気です。潰瘍性大腸炎は自己免疫の異常が関係していると考えられていますが、現時点では明確な原因が完全には解明されていません。症状は血便や下痢、腹痛、発熱、体重減少などが代表的で、症状が強くなる「活動期」と症状が落ち着く「寛解期」を繰り返します。潰瘍性大腸炎は長期に続く病気ではありますが、治療によって多くの患者様が日常生活を維持することができています。そのため、早期診断と継続的な治療が非常に重要な病気となります。

潰瘍性大腸炎の原因は何ですか?

潰瘍性大腸炎の原因は、現在の医学でも完全には解明されていません。しかし、複数の要素が重なり合って発症すると考えられています。その一つが自己免疫の異常であり、免疫が本来守るべき大腸粘膜を攻撃してしまうことが炎症の大きな原因と推測されています。さらに、腸内細菌のバランスの乱れ、食生活の欧米化、ストレス、遺伝的な体質などが潰瘍性大腸炎の発症に関連すると考えられています。これらは単独で病気を引き起こすのではなく、複数の因子が組み合わさることで発症することが多いと考えられています。

どのような検査で診断しますか?

潰瘍性大腸炎の診断には、主に大腸内視鏡検査を使用します。大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接観察し、炎症の広がりや粘膜の状態を詳細に確認することができます。また、検査中に粘膜の一部を採取して組織検査を行い、特徴的な所見があるかどうかを調べます。さらに、採血検査では炎症の程度や貧血の有無を確認し、便検査では炎症を示す成分が含まれていないかを調べます。これらの検査結果を総合的に判断し、確定診断を行います。

潰瘍性大腸炎は治る病気でしょうか?

潰瘍性大腸炎は、現時点では完全に治る(根治する)治療方法が確立されていない病気といわれています。しかし、治療を継続することで炎症を抑え、症状が出ない期間を長く維持することは十分可能となります。適切な治療を受けて寛解状態(病気の症状が一時的または永続的に軽減し、病気がコントロールできている状態)を保てている患者様も多く、日常生活や仕事を問題なく続けている方も珍しくありません。治療の目標は「寛解を維持すること」であり、そのためには薬の継続や定期的な検査が不可欠となります。医師と相談しながら、症状に合わせた治療を続けることが重要です。

どのような治療法がありますか?

潰瘍性大腸炎の治療法は、症状の程度や炎症の範囲に応じて選択されます。軽症の場合は、抗炎症薬を内服や坐薬として使用し、炎症を抑えることが大切です。中等症以上の場合には、ステロイドを短期間使用して炎症を強く抑えることがあります。また、免疫調整薬や、免疫の働きを一部抑制する生物学的製剤を使うこともあります。近年は治療選択肢が増え、効果的な薬が登場しています。治療は長期にわたることが多いため、副作用の管理を含め、医師と密に相談しながら進めていくことが大切です。

食事では何に気をつけたらよいですか?

潰瘍性大腸炎の患者様は、食事内容によって症状が悪化することがあります。そのため、脂質の多い食事、刺激の強い香辛料、アルコールなどは控えるほうが安心となります。活動期には腸が敏感になっているため、消化の良い食品を中心に選ぶとより負担が軽くなります。一方、寛解期には特別な制限が必要ない場合もありますが、暴飲暴食や不規則な食事は避けたほうが安心となります。食事の内容は個人差が大きいため、実際に体調と相談しながら調整し、必要であれば医師や栄養士に相談するようにしましょう。

潰瘍性大腸炎は遺伝しますか?

潰瘍性大腸炎は遺伝性の病気ではありませんが、家族に同じ病気の方がいる場合は発症しやすい傾向があるとされています。これは、完全な遺伝ではなく、あくまで「体質としての傾向」がある程度と考えられています。実際には家族に潰瘍性大腸炎の患者様がいなくても発症することは珍しくなく、遺伝だけが原因とは言えません。生活環境、食習慣、腸内細菌のバランスなども発症に関わるため、遺伝はあくまで数ある要因のひとつという位置づけです。

潰瘍性大腸炎の症状はどのように変化しますか?

潰瘍性大腸炎の症状は、良い時期と悪い時期を繰り返すことが特徴です。症状が悪化する「活動期」には、血便や下痢、腹痛、発熱などが現れることがあります。一方で、治療によって炎症が落ち着くと「寛解期」となり、症状がほとんどなくなり、普段どおりの生活が送れるようになります。ただし、寛解期でも治療を中断してしまうと再燃する可能性があるため、薬の継続と定期検査が重要です。長期的に病気と付き合う意識を持ち、体調の変化を見逃さないことが大切です。

潰瘍性大腸炎でも旅行や仕事は可能ですか?

潰瘍性大腸炎の患者様でも、症状が落ち着いている寛解期であれば旅行や仕事を続けることが可能です。しかし、長時間の移動や不規則な生活によって症状が悪化する可能性があるため、体調管理がとても重要となります。そのため、旅行の際には、薬を多めに持参したり、事前に食事環境を確認したりすると安心です。また、長期の旅行や海外渡航の場合は、主治医に相談して治療計画を立てておくと安全です。無理をせず、体調を最優先に行動するようにしましょう。

潰瘍性大腸炎はがんのリスクがありますか?

潰瘍性大腸炎が長期間続くと、大腸がんのリスクがわずかに上がることが知られています。特に炎症が大腸全体に広がっている場合や、若い頃から発症している場合は注意が必要と考えられています。がんのリスクを適切に管理するために、定期的な大腸内視鏡検査を受けて粘膜の状態を確認することが推奨されています。早期の異常であれば治療が可能なため、検査を怠らないことが非常に重要となります。主治医の指示に従って適切な間隔で検査を受けることで、リスク管理は十分に可能となります。

ローン病のよくある質問

クローン病とはどのような病気ですか?

クローン病とは、口から肛門までの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こる慢性の炎症性腸疾患です。特に小腸と大腸に炎症が起こりやすく、腹痛、下痢、体重減少、発熱などの症状が見られます。クローン病は「寛解」と「再燃」を繰り返す特徴があり、長期的に病気と向き合いながら治療を続ける必要があります。原因は完全には解明されていませんが、免疫異常や腸内細菌、遺伝的な体質、環境要因などが関係していると考えられています。治療により症状を抑え、普段の生活を維持することは十分可能な病気となります。

クローン病の原因は何ですか?

クローン病の原因は現時点では特定されていませんが、複数の要因が関わるとされています。一つの要因として、免疫の異常により、腸管を攻撃してしまうことで炎症が起こると考えられています。さらに、腸内細菌のバランスの乱れや食生活、喫煙、ストレスなどの環境因子が影響しているとされています。また、遺伝的な体質の関与も指摘されており、家族内に炎症性腸疾患の患者様がいる場合は発症リスクがやや高くなることがわかっています。これらの要因が複雑に絡み合って病気が発症するといわれています。

どのようにして診断されますか?

クローン病の診断には、大腸内視鏡検査や小腸内視鏡検査、CT検査、MRI検査、血液検査などを総合的に用います。内視鏡検査では腸管の潰瘍や粘膜の変化を直接観察し、必要があれば組織を採取して顕微鏡で確認します。また、小腸病変を調べるためにカプセル内視鏡が選択されることもあります。CTやMRIは腸管の深い部分や周囲の炎症の広がりを調べるため実施されることもあります。これらの複数の検査を組み合わせて総合的に診断することが一般的です。

クローン病は治りますか?

クローン病は現代の医学では「根治」が難しい病気とされていますが、治療によって症状を大きく改善し、症状のない状態(寛解)を長く保つことは可能な病気となります。炎症をしっかり抑えることで、日常生活や仕事をほぼ問題なく続けることができます。クローン病の治療には長期的な継続が必要であり、症状が落ち着いていても治療を中断すると再燃する可能性が高まります。医師と相談しながら、症状に合った最適な治療を続けることが非常に重要な病気です。

クローン病の治療にはどのような方法がありますか?

クローン病の治療には、炎症を抑える薬物療法が中心となります。軽症例では炎症を抑える薬剤が使用されることがありますが、中等症以上では、強力な抗炎症作用や抗アレルギー作用を持つステロイドが短期間使用されることもあります。さらに、免疫調整薬や生物学的製剤が効果的であり、多くの患者様にも使用されています。また、狭窄や瘻孔などの合併症がある場合には外科治療が必要となることがあります。治療は患者様の症状や病変の部位によって個別に調整することが重要です。

食事では何に気をつけるべきですか?

クローン病の患者様は、症状が悪化したり再燃したりしないよう食事に注意することが重要です。脂質が多い食事や消化に時間がかかる食品、刺激の強い香辛料は腸への負担が大きく、症状を悪化させる可能性があります。そのため、活動期には消化の良いものを中心とし、腸が休まるようにしましょう。寛解期にはすべての食品を避ける必要はありませんが、暴飲暴食は控えるべきといわれています。また、腸管の狭窄がある場合には食物繊維の多い食品が詰まりやすいため注意が必要となります。

クローン病は遺伝しますか?

クローン病は遺伝性の病気ではありませんが、遺伝的要素が発症リスクに影響するとされています。家族に炎症性腸疾患を持つ方がいる場合は発症しやすい傾向がありますが、家族に患者様がいない場合でも発症することはあります。遺伝そのものよりも「体質としての傾向」が受け継がれやすいといわれています。環境因子や腸内細菌の影響も大きく、遺伝は数ある要因のひとつに過ぎません。

クローン病はどのような経過をたどる病気ですか?

クローン病は、症状が強くなる「再燃期」と症状が落ち着く「寛解期」を繰り返すことが特徴な病気です。再燃期には腹痛や下痢、発熱が強くなることがありますが、治療によって炎症を抑えることで寛解に導くことができます。寛解期は症状がほとんどなく、普段の生活に戻ることも可能です。ただし、炎症が長く続いたり再燃を繰り返したりすると、腸の狭窄や瘻孔、膿瘍などの合併症を起こすことがあります。そのため定期的な治療と検査が非常に重要です

クローン病でも普段どおりの生活はできますか?

クローン病の患者様でも、症状が落ち着いている寛解期には仕事や学業、旅行などを普段どおりに行うことが可能です。しかし、ストレスや睡眠不足、不規則な食事は症状を悪化させる可能性があるため、生活リズムを整えることが大切です。また、無理をすると再燃のリスクが高まるため、休息を取りながら無理のない範囲で活動するようにしましょう。旅行時には薬を多めに持参し、食事環境や医療機関についても事前に確認しておくと安心となります。

クローン病は完治する病気でしょうか?

クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症が起こり得る慢性的な病気で、一度発症すると長く付き合っていく必要があります。現在の医療では、クローン病を完全に治す「完治」という状態をつくり出すことは難しいとされています。しかし、治療の選択肢は年々進歩しており、適切な治療を継続することで症状をほとんど感じずに日常生活を送れている患者様も少なくありません。クローン病における治療の目的は、炎症を鎮めて症状が落ち着いた状態(寛解)を維持し、再燃(悪化)を防ぐことです。内服薬、生物学的製剤、栄養療法などを患者様の症状や病勢に合わせて組み合わせることで、病気のコントロールは十分に可能となります。体調や生活の変化に合わせて治療を見直しながら、医師と一緒に長期的に向き合っていくことが、クローン病とうまく付き合うために大切となります。

敏性腸症候群のよくある質問

過敏性腸症候群とはどのような病気ですか?

過敏性腸症候群とは、腸に明らかな炎症や腫瘍などの異常がないにもかかわらず、腹痛や下痢、便秘、あるいはその両方を繰り返す慢性的な機能性腸疾患です。腸の運動や知覚のバランスが乱れることによって症状が生じると考えられています。また、ストレスや緊張、生活リズムの乱れ、睡眠不足、食生活の偏りなどが症状を悪化させる要因として知られています。多くの患者様が「検査をしても異常がないのに症状だけが続く」という不安を感じられますが、生活習慣の改善、腸の動きを整えるお薬、ストレスコントロールなどを組み合わせることで症状の軽減が期待できます。早めに専門医に相談していただくことで、つらい症状が少しずつ和らぎ、日常生活が快適になるケースも多くあります。

過敏性腸症候群の原因は何ですか?

過敏性腸症候群の原因は一つではなく、複数の要素が組み合わさって発症すると考えられています。腸の動きや感覚が過敏になっている状態、腸内細菌のバランスの乱れ、ストレス反応の過剰な活性化、腸と脳のコミュニケーションである「腸脳相関」の不調などが関与しているとされています。特にストレスは大きな影響を与える要因で、仕事や家庭の緊張状態が続くと腸の動きが乱れ、腹痛や下痢が悪化することがあります。また、感染性腸炎にかかった後に発症する「感染性腸炎後過敏性腸症候群(PI-IBS)」も知られており、腸の粘膜バリア機能の低下や腸内環境の変化が関連していると考えられています。過敏性腸症候群の原因が一つに特定できないからこそ、治療では生活習慣・食事・薬物療法を組み合わせ、総合的に症状の改善をめざすことが重要です。

過敏性腸症候群はどのような症状が現れますか?

過敏性腸症候群では、腹痛、腹部の張り、ガスが溜まりやすい感覚、下痢、便秘、または下痢と便秘が交互に繰り返されるなど、さまざまな症状が現れます。腹痛は排便により一時的に軽減することが多く、腸の動きが過剰に活発になったり弱くなったりすることで症状が繰り返されます。また、通勤や会議の前、外出時など「トイレにすぐ行けない状況」で症状が悪化する方が多く、生活に大きな支障を与えることがあります。ガスが溜まることで人前に出るのが怖くなったり、腹鳴りが気になって集中できなくなったりする方もいらっしゃいます。こうした症状は検査では異常が見つからないため、患者様が「自分だけがおかしいのでは?」と不安に感じることがありますが、医療機関で適切に対処することで改善できる病気です。

過敏性腸症候群は大腸がんなどの重い病気につながりますか?

過敏性腸症候群は、大腸がんや炎症性腸疾患などの重篤な病気に進行することはありません。検査で腸に炎症や腫瘍が認められないことを確認したうえで診断される病気ですので、生命に関わる病気とは異なります。ただし、症状が似ている疾患が存在するため、初めて症状が出た方や40歳以上の方、便に血が混じる方、急激な体重減少がある方は、念のため大腸カメラ検査などを受けていただくことが望ましいと考えられます。また、過敏性腸症候群そのものは命に関わる病気ではありませんが、症状が長期間続くことで生活の質が大きく低下し、仕事や人間関係に影響が出る場合があります。そのため、軽症であっても早めに医師に相談し、症状をコントロールすることが大切です。

過敏性腸症候群の診断はどのように行いますか?

過敏性腸症候群の診断では、まず患者様の症状の経過や生活状況を丁寧に伺い、腹痛や便通異常がどれくらい続いているか、どのようなタイミングで悪化するかなどを確認します。次に、必要に応じて血液検査や便検査、大腸カメラ検査、腹部超音波検査などを行い、炎症性腸疾患、大腸ポリープ、大腸がん、感染症などの他の病気がないことを確認した上で診断します。過敏性腸症候群は腸の働きの異常によって起こる機能性疾患であるため、検査では異常が見つからない病気です。そのため問診が非常に重要であり、医師が症状の特徴を踏まえて総合的に診断することが重要です。特に40歳以上の方や、血便・発熱・体重減少などの症状がある方は、過敏性腸症候群と似た重い病気を除外するために精密検査を受けることが推奨されています。

過敏性腸症候群はどのような治療を行いますか?

過敏性腸症候群の治療では、まず患者様が抱えている症状のタイプを丁寧に見極めることから始めます。下痢型・便秘型・混合型・ガス型など、症状の傾向によって治療方針が異なります。過敏性腸症候群の治療の中心となるのは、腸の動きを調整するお薬や、腸内のガスを抑える薬、腸の過敏さを和らげる薬などで、必要に応じて複数を組み合わせることが重要です。また、腸内細菌のバランスを整える整腸剤や、ストレスを緩和する薬剤を用いる場合もあります。さらに、ストレスが症状を悪化させる場合は、生活習慣の見直しや睡眠リズムの調整も非常に重要といわれています。これらを総合的に行うことで、症状が軽快して日常生活が楽になる方は多くいらっしゃいます。

食事で気をつけた方がよいことはありますか?

食事は過敏性腸症候群の症状に大きく影響するため、少し意識していただくだけでも症状が楽になることがあります。一般的には、脂っこい食べ物、生クリームなどの乳脂肪、アルコール、カフェイン、刺激の強い香辛料は腸の動きを急激に変化させることがあるため、控えめにしていただくことが望ましいといわれています。また、豆類やキャベツ、玉ねぎ、甘い飲料などはガスを増やしやすい食品として知られており、ガス症状が気になる方は注意が必要です。一方で、食物繊維を多く含む食品は便通を整えるのに役立ちますが、人によっては摂りすぎると腹部が張りやすくなるため、体調に合わせて量を調整することが大切です。

ストレスは過敏性腸症候群にどれほど影響しますか?

過敏性腸症候群は腸と脳が深く関係する病気であり、ストレスが症状の悪化に大きく影響します。仕事の緊張、家庭の不安、生活リズムの乱れなどによって自律神経のバランスが乱れると、腸の動きが不安定になり、腹痛や下痢、便秘の症状が強く出ることがあります。特に「外出先でトイレに行けるか不安」といった緊張を抱える方は、通勤・会議・人前に出る場面で症状が一気に悪化することが少なくありません。実際にストレスケアを並行して行うことで症状が明らかに軽くなる患者様も多くいらっしゃいます。そのため、十分な睡眠、適度な運動、深呼吸やストレッチなども腸を落ち着かせる効果があり、治療の一部として重要な役割を果たします。

過敏性腸症候群はどのくらいで治りますか?

過敏性腸症候群は慢性的になりやすい病気ですが、適切な治療と生活習慣の調整によって多くの方が症状をコントロールすることができます。症状が完全に消えるまでの期間には個人差がありますが、早い方では治療を始めて数週間で効果を実感されることがあります。一方で、ストレスや生活リズムが乱れると症状が再び出現することもあるため、長期的に腸の環境を整えていくことも大切です。治療の目的は「症状をゼロにする」と同時に「日常生活に支障が出ない状態を保つ」ことにあります。医師と相談しながら薬や生活指導を組み合わせ、自分の体調に合ったペースで治療を続けることで、無理なく症状を抑えていくことが可能となります。

過敏性腸症候群でも大腸カメラを受けたほうがよい場合はありますか?

過敏性腸症候群は検査で異常が見つからないことが特徴ですが、似た症状を示す他の病気を除外するために、大腸カメラ検査が必要になる場合があります。特に40歳以上の方、血便がある方、発熱や体重減少がみられる方、急に症状が悪化した方は、過敏性腸症候群と大腸の病気を区別するために検査が推奨されています。また、過敏性腸症候群と診断されていても、症状の変化が大きい場合や、薬を使っても改善が乏しい場合には、一度検査を受けることで安心につながり、その後の治療方針も明確にすることが可能です。大腸カメラは大腸の粘膜を直接確認できるため、ポリープや炎症、がんの早期発見にも役立ちます。必要性があるかどうかは医師が丁寧に判断しますので、不安があるときは遠慮なく相談していただくことが大切です。

腸憩室症のよくある質問

大腸憩室とはどのような状態ですか?

大腸憩室とは、大腸の壁の一部が外側へ袋状に膨らんだ状態を指します。大腸の粘膜が筋肉層の弱い部分から外へ飛び出す形で作られるため、年齢が上がるにつれて発生しやすくなります。憩室自体は良性の変化であり、痛みや不調がないまま一生を過ごす方も多くいらっしゃいます。しかし、憩室が細菌感染を起こした場合には憩室炎となり、腹痛や発熱、下痢、便秘などの症状を引き起こすことがあります。そのため、症状の有無によって対応が大きく異なる病気となります。

大腸憩室はどのような原因でできるのですか?

大腸憩室ができる原因には、加齢による腸壁の弱まり、便秘によって大腸にかかる圧力が高まること、食物繊維の不足による便の硬化などが関係していると考えられています。特に大腸の内圧が繰り返し高まることで、腸の弱い部分から粘膜が押し出されるように膨らみ、憩室が形成されます。食生活の欧米化によって若い世代でも増加傾向がみられ、生活習慣との関連性も注目されています。

大腸憩室はどのような症状がありますか?

大腸憩室の多くは無症状で、健康診断の大腸カメラ検査などで偶然見つかることが一般的です。症状がない場合には特別な治療は必要ありません。ただし、憩室に便が詰まったり細菌が繁殖したりすることで憩室炎が起きると、腹痛、発熱、下痢、便秘、吐き気などの症状が現れることがあります。腹痛は左下腹部に出ることが多いですが、憩室の位置によって痛む場所は異なります。憩室炎が悪化すると腹膜炎や出血の原因になることもあり、強い痛みや高熱が続く場合には早めの受診が必要です。

大腸憩室症は大腸がんにつながりますか?

大腸憩室そのものが大腸がんに変化することはありません。良性の袋状の膨らみであり、憩室があること自体はがんのリスクとは直接関係していません。しかし、憩室がある方でも大腸がんになる可能性はあるため、年齢や家族歴によっては大腸カメラ検査を定期的に受けていただくことが推奨されています。また、憩室炎を繰り返して腸に強い炎症が続くと、まれに狭窄や瘻孔形成などの合併症が生じることがあり、これらの変化は治療が必要となります。

大腸憩室炎はどのような治療を行いますか?

大腸憩室炎の治療は、症状の程度や炎症の広がりによって異なります。軽症の場合には、腸を安静に保つための食事制限や抗生剤による治療を行い、数日から1週間ほどで症状が改善することが多くあります。強い痛みや高熱がある場合には、点滴治療を行うために入院が必要になることがあります。まれに憩室炎が悪化して膿が溜まったり、腸に穴が開いたりすることがありますが、その場合には外科的な治療が必要になることもあります。憩室炎は早い段階で治療を開始するほど治りが良いため、異変を感じたら早めの受診が大切です。

憩室炎は再発しやすいのでしょうか?

大腸憩室炎は一度改善しても再発することがあり、再発率は一定程度あるとされています。憩室自体は自然に消えるものではなく、大腸に残ったままになるため、同じ場所や別の憩室で炎症が起こることがあります。ただし、生活習慣を整えることで再発を減らすことは可能です。特に便秘を避けるために水分や食物繊維を適度に摂ること、適度な運動を心がけることが有効とされています。再発を繰り返す場合には、定期的な診察によって進行状況を確認しながら、症状をコントロールしていくことが大切です。

食事で気をつけるべきことはありますか?

憩室症の方は、普段から便通がスムーズになるよう食生活を整えることが大切となります。食物繊維を多く含む野菜や果物、海藻類、豆類をバランスよく摂ることで、便が柔らかくなり大腸の負担を軽減することが可能です。しかし、急に大量の食物繊維を摂ると逆にお腹が張りやすくなるため、少しずつ増やすことが望ましいといわれています。また、水分をしっかり摂ることや、アルコール・刺激物を控えることも重要です。憩室炎を発症している間は消化の良い食事を中心にする必要があり、症状が落ち着いた後に通常の食事へ戻していきます。

大腸憩室はどのように診断しますか?

大腸憩室の診断には、大腸カメラ検査やCT検査がよく用いられます。大腸カメラ検査では、腸の内部を直接観察できるため、憩室の位置や数、炎症の有無を詳細に確認することができます。一方で、強い痛みや発熱がある場合には、体への負担が少ないCT検査が優先される場合があります。CTでは腸壁の炎症の程度や、周囲に膿が溜まっていないかなどを判断できるため、憩室炎の診断にとても有用な検査となります。CTによる画像検査で正確に状態を把握することで、適切な治療方針を決定することが可能になります。

大腸憩室を予防する方法はありますか?

大腸憩室を完全に防ぐ方法はありませんが、便秘を避ける生活習慣が大腸への負担を軽減し、憩室の形成や悪化を抑えるといわれています。特に、水分の不足や食物繊維の少ない食生活は便を硬くし、腸の圧力を高めるため注意が必要です。規則正しい生活を心がけること、適度な運動を継続することも腸の動きを整えるうえで効果的となります。すでに憩室がある方でも、生活習慣の改善によって憩室炎の発症リスクを下げることも期待されます。

大腸憩室症でも大腸カメラを受けた方がよいですか?

大腸憩室がある方でも、大腸カメラ検査を受けていただくことは可能であり、必要性がある場合にはとても有益な検査となります。特に便潜血陽性や腹痛の持続、便通異常の悪化など、大腸の病気を疑う症状がある場合には、大腸ポリープや大腸がんなどの他の疾患を確認する目的で検査を行うことがあります。憩室があっても通常は安全に検査できますが、急性の憩室炎がある場合には炎症が落ち着くまで検査を延期することがあります。検査を行うタイミングは、医師が症状と状態を丁寧に判断して決めますので、不安な点は遠慮なく相談していただくことが大切です。

血性腸炎のよくある質問

虚血性腸炎とはどのような病気ですか?

虚血性腸炎とは、大腸の血流が一時的に悪くなることで、腸の壁に炎症やむくみが生じる病気のことをいいます。血流が低下する原因には、便秘による腸管内圧の上昇や、動脈硬化によって血流が滞ること、脱水による血液量の低下などが関係するといわれています。虚血性腸炎を発症すると、突然の腹痛や血便、下痢、吐き気などの症状が現れます。多くの場合は軽症であり、腸を安静にすれば自然に回復しますが、重症の場合には入院治療が必要になることもあるため、症状が出た際には早めの受診が大切となります。

虚血性腸炎が起こる原因は何ですか?

虚血性腸炎が起こる原因には複数の要素が関与しているといわれています。特に便秘が主な引き金となることが多く、硬い便が腸内にとどまることで腸の内圧が上昇し、血管を圧迫して血流が悪化し、虚血性腸炎になることが知られています。また、動脈硬化によって大腸の血管が狭くなっている方、脱水気味の方、糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病をお持ちの方は、血流が低下しやすいため発症しやすい傾向があります。中高年の女性に多くみられる疾患ですが、若い方でも便秘や脱水が重なると起こることがあります。

虚血性腸炎にはどのような症状がありますか?

虚血性腸炎の代表的な症状は、突然起こる強い腹痛と、その後に続く血便があげられます。腹痛は左下腹部に起こることが多く、締め付けられるような痛みや、差し込むような痛みとして感じることが多いです。痛みの直後から下痢や血の混じった便が出ることがあり、多くの患者様がその痛みや血便症状にて受診されます。発熱や吐き気を伴うこともありますが、症状の程度は個人差があります。軽症の場合には数日で改善しますが、痛みが強い場合や血便が続く場合には、腸の炎症が進んでいる可能性があるため、医師の診察が必要となります。

虚血性腸炎はどのように診断しますか?

虚血性腸炎の診断には、症状の経過と身体診察に加えて、血液検査やCT検査、大腸カメラ検査を組み合わせて行います。急性期で痛みが強いときには、CT検査で腸壁のむくみや炎症の程度を確認することが一般的となります。大腸カメラ検査は、腸の粘膜に特徴的な変化(浮腫や発赤、潰瘍など)がみられるため、確定診断には非常に有用な検査となります。しかし、症状が強い急性期には腸への負担が大きいため、炎症がある程度落ち着いた後に大腸カメラを行うこともあります。

虚血性腸炎の治療はどのように行いますか?

虚血性腸炎の治療は、腸を安静に保つことが重要です。軽症の場合には、食事をいったん控えて腸を休ませつつ、点滴や内服薬で炎症を抑えます。痛み止めや抗生剤を使用する場合もありますが、症状が軽快すれば、数日後から消化の良い食事に戻すことも可能です。重症の場合には入院が必要であり、点滴治療や腸管の状態をみながら慎重に治療を進めることが大切となります。1〜2週間ほどで症状が改善することが多いですが、病状に応じて治療期間は変ってきます。

虚血性腸炎が再発することはありますか?

虚血性腸炎は再発する場合がありますが、多くの場合は便秘や脱水、生活習慣の改善によって予防が可能です。特に慢性的な便秘がある方は、腸の内圧を上げないためにも日頃から便通を整えることが大切です。再発を繰り返す方の場合には、動脈硬化や血管の狭窄が背景にあることもあるため、血液検査や追加の画像検査で原因を調べる場合もあります。生活習慣を整えれば発症リスクを大きく減らせる疾患ですので、日常のケアも非常に重要となります。

食事ではどのような点に気をつけるべきですか?

虚血性腸炎の治療中は、腸を刺激しないために食事を控える期間が必要になることがあります。症状が落ち着いた後は、消化の良い食事から始めて、徐々に通常の食事へ戻していきます。便秘が発症の大きな要因であるため、普段から食物繊維を適度に摂り、水分補給をしっかり行うことが大切です。しかし症状がある間は繊維が多い食事が負担になることもあるため、医師の指示に応じた食事管理が必要となります。また、アルコールや刺激物の過剰摂取は腸に負担がかかるため控える方が安心となります。

虚血性腸炎は大腸がんと関係がありますか?

虚血性腸炎と大腸がんの間に直接的な因果関係はありません。虚血性腸炎は血流が低下することで起こる病気であり、がん化する性質はありません。しかし、血便が続くときには大腸がんや大腸ポリープなど、他の病気が隠れている可能性もあるため、症状の経過や原因をしっかり確認することが重要です。特に中高年の方や家族歴がある方は、大腸カメラ検査を行うことでほかの疾患との鑑別が明確になります。

虚血性腸炎の診断には大腸カメラ検査は必要ですか?

虚血性腸炎の診断には大腸カメラ検査が非常に有用ですが、急性期には腸への負担が強くなることがあるため、炎症が落ち着いてから大腸カメラ検査を行う場合もあります。血便が続く方や、他の大腸疾患が疑われる方には、正確な診断のために大腸カメラを受けていただくことが望ましいといわれています。大腸カメラでは粘膜の状態を直接見ることができるため、虚血性腸炎の重症度や、ほかの疾患の診断も可能となります。

日常生活での予防方法はありますか?

虚血性腸炎を予防するうえで大切なことは、便秘を避ける生活習慣を身につけることです。水分を十分に摂り、バランスの良い食事を心がけること、適度な運動を取り入れて腸の動きを整えることが効果的となります。また、トイレを我慢する習慣や、ストレスによる生活リズムの乱れも便秘を悪化させるため注意が必要です。高血圧や糖尿病、脂質異常症をお持ちの方は動脈硬化が進行しやすいため、これらの病気の治療をしっかり行うことも虚血性腸炎の予防につながります。

便潜血陽性のよくある質問

便潜血陽性とは何を意味するのですか?

便潜血陽性とは、便の中に目では確認できないごくわずかな血液が混じっている状態を指します。便潜血検査は大腸がんの早期発見を目的として行われることが多く、陽性という結果が出た場合には、腸内のどこかで炎症や出血を起こしている可能性があると判断します。しかし、便潜血陽性という結果は必ずしも重大な病気があるという意味ではなく、痔や一時的な炎症など軽い原因である場合もあります。そのため、便潜血陽性が出たときには、原因を正確に調べるために大腸カメラ検査を受けることが推奨されています。

便潜血陽性になった場合、必ず大腸がんがありますか?

便潜血陽性の結果が出ても、大腸がんが必ず見つかるわけではありません。便潜血検査は「がんがある可能性を見逃さないための検査」であるため、出血があれば広く陽性と判定します。そのため、痔によるわずかな出血や、便が硬くて肛門が切れた場合でも陽性になることがあります。しかし、大腸がんや大腸ポリープが出血の原因となっている可能性も完全には否定できないため、陽性が出た際には精密検査である大腸カメラを受けることが強くすすめられます。

便潜血陽性の後、どれくらいの期間で大腸カメラを受けるべきですか?

便潜血陽性と判定された場合には、可能であれば1〜2か月以内を目安に大腸カメラ検査を受けることが望ましいとされています。出血の原因が大腸がんや大腸ポリープである可能性があるため、早めに検査を行うことで病気を早期の段階で発見し、適切な治療につなげることができます。症状がある場合には、さらに早いタイミングで大腸カメラ検査を受けることが必要です。

便潜血陽性が2回中1回だけ陽性の場合も精密検査は必要ですか?

便潜血検査は2日分の便を提出しますが、そのうち1回だけ陽性であった場合でも、大腸カメラによる精密検査は必要となります。1回だけの陽性であっても、腸内に出血をきたす病変が存在する可能性があります。特に早期大腸がんやポリープは出血が少ないこともあり、毎回便に血が混じるとは限りません。そのため、「1回の陽性でも要精査」と判断し、大腸カメラを受けるようにしましょう。

便潜血陽性の原因として多い病気は何ですか?

便潜血陽性の原因としては、大腸ポリープ、大腸がん、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、大腸憩室からのわずかな出血、感染性腸炎、虚血性腸炎などが挙げられます。このように、良性のものから悪性のものまで幅広い原因が考えられるため、便潜血陽性が出た場合には、どのような病気が隠れているかを確認するために大腸カメラが重要となります。

痔があっても便潜血は陽性になりますか?

痔がある場合には、排便時にわずかな出血をきたすことがあるため、便潜血検査が陽性になることがあります。しかし、痔が原因で陽性になっていると自己判断することは危険です。痔と大腸ポリープや大腸がんが同時に存在する可能性もあり、症状だけで判断することはできません。そのため、痔がある方でも便潜血が陽性になった際には、大腸カメラで腸全体を確認することが必要です。

症状がないのに便潜血陽性が出ることはありますか?

便潜血陽性は、自覚症状が全くない段階でも出ることがあります。大腸ポリープや早期の大腸がんは症状がほとんどないことが多く、便潜血検査で初めて異常が見つかるケースも少なくありません。そのため、症状がないからといって安心せず、陽性という結果を受け取った時点で精密検査を受けることが推奨されています。

若い人でも便潜血陽性になることはありますか?

若い方でも腸炎や痔による出血、大腸ポリープなどにより便潜血陽性となることがあります。一般的に大腸がんは中高年に多い病気ではありますが、若年層でも大腸ポリープや炎症性腸疾患が見つかることは珍しくありません。年齢にかかわらず、陽性結果が出た際には精密検査(大腸カメラ検査)を受けることが大切です。

便潜血陽性が続く場合、何か重大な病気の可能性がありますか?

連続して便潜血陽性となる場合には、大腸ポリープや大腸がん、慢性炎症など腸のどこかで出血しやすい病変がある可能性が高くなります。特に何度も陽性となる場合には、大腸カメラ検査を確実に受けて、腸の状態を詳細に調べることが必要です。病気が早期で見つかれば治療の幅も広がるため、繰り返し陽性となる時には特に注意が必要となります。

大腸カメラで異常がなかった場合、便潜血陽性は心配しなくても良いですか?

大腸カメラで腸内の異常が確認されなかった場合には、大腸がんや大腸ポリープの可能性はほぼ否定されるため、まずは安心していただけます。しかし、痔など肛門周囲が原因で出血していたり、一時的な腸炎によるものの可能性もあります。医師は検査結果を総合的に判断し、今後の検査の頻度や生活上の注意点を説明しますので、その指示に従うことが大切となります。

腸ポリープのよくある質問

大腸ポリープとはどのような病変ですか?

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にいぼのように盛り上がってできる良性の腫瘍を指します。大腸ポリープは必ずしもがんではありませんが、種類によっては放置すると大きくなり、将来的に大腸がんへ進行する可能性があります。多くの場合、自覚症状はほとんどなく、健康診断で便潜血陽性と判定されて初めて気付く方も少なくありません。大腸ポリープが見つかった場合には、医師が大きさや形、数、組織の種類を判断し、必要に応じて切除を実施いたします。

大腸ポリープを放置すると大腸がんになりますか?

大腸ポリープの中には「腺腫性ポリープ」と呼ばれるタイプがあり、このポリープは放置すると時間をかけて大腸がんに進行する可能性があります。しかし、すべてのポリープががんに進行するわけではありません。炎症による過形成ポリープなど、がん化のリスクが極めて低い種類も存在します。大腸カメラで観察した所見と病理検査の結果をもとに、どの程度のリスクがあるかを判断し、必要な対応を説明させていただきます。

大腸ポリープの自覚症状はありますか?

大腸ポリープは小さいうちはほとんど自覚症状がありません。そのため、ポリープが見つかった患者様の多くが、自分で異常に気付くことはほとんどありません。ポリープが大きくなると、ごくまれに便に血が混じったり、便通の変化が生じたりすることがありますが、日常生活では気付かないことが多いため、定期的に大腸カメラ検査を受けることが早期発見につながります。

大腸ポリープが見つかった場合、必ず切除が必要ですか?

大腸ポリープが見つかった場合に切除が必要かどうかは、ポリープの種類・大きさ・形によって判断されます。特に腺腫性ポリープは将来的にがんに進展する可能性があるため、できるだけ切除することが推奨されます。一方で、がん化のリスクがほとんどない過形成ポリープの場合には、切除を行わず経過観察となることもあります。ポリープの特徴を丁寧に説明したうえで、最も適切な方針をご提案させていただきます。

大腸ポリープの切除は痛みがありますか?

大腸カメラによるポリープ切除は、腸の粘膜に痛覚がないため、切除の瞬間に痛みを感じることはありません。検査中の苦痛について心配される方も多いのですが、眠り薬を使用して眠った状態で検査を受けることで、不安や痛みをほとんど感じずに治療を終えることができます。切除後も痛みが出るケースは非常に少なく、多くの患者様が日常生活へ問題なく戻ることができます。

大腸ポリープを切除した後、入院は必要ですか?

多くの場合、大腸ポリープの切除は外来で行われ、日帰りで帰宅することができます。ポリープが大きい場合や、出血のリスクが高いと判断された場合には、入院が必要となることがありますが、一般的な小さなポリープであれば外来での日帰り切除で十分となります。ポリープを切除した場合には、切除後の体調管理や生活上の注意点を丁寧に説明し、必要に応じて経過観察のための診察日をご提示させていただきます。

大腸ポリープを切除した後、出血のリスクはありますか?

大腸ポリープの切除後には、まれに出血が起きることがあります。出血は通常、切除後すぐに起こることが多いですが、数日後から1週間ほど経ってから遅れて出血する場合もあります。そのため、一定期間の運動制限や飲酒の制限が指示されることもあります。また、腹痛や鮮血便が続くような場合には、すぐに医療機関へ連絡し、適切な処置を受けることが大切です。

大腸ポリープは再発しますか?

大腸ポリープは一度切除しても再び新しくできることがあります。そのため、ポリープを切除した後も定期的に大腸カメラを受けて、腸内に新しいポリープができていないかを確認することが重要です。医師は切除したポリープの種類や数に応じて、次回の検査時期を提案します。リスクが高い方では1〜3年ごとの検査が推奨されています。

食生活や生活習慣が大腸ポリープの発生に関係しますか?

大腸ポリープは、食生活や生活習慣と深い関係があると考えられています。特に脂肪の多い食事、アルコールの過剰摂取、喫煙、運動不足、肥満などがポリープの発生リスクを高めるといわれています。野菜や果物、食物繊維を多くとる食生活を心がけ、適度な運動を続けることが予防につながります。そのため、大腸がんを予防するためには食生活や生活習慣の見直しも大切となります。

大腸ポリープが見つかった場合、その後の検査はどれくらいの間隔で必要ですか?

大腸ポリープが見つかった場合の検査間隔は、ポリープの大きさや種類、切除した数によって異なります。一般的には腺腫性ポリープが1つだけで小さい場合は3年後、複数ある場合や大きいポリープを切除した場合には1年後の再検査が推奨されています。個々のリスクを考慮し、最も適切な検査スケジュールをご提案させていただきます。

腸がんのよくある質問

大腸がんとはどのような病気ですか?

大腸がんとは、大腸の内側を覆う粘膜の細胞が異常に増殖し、腫瘍として大腸内に広がる病気です。大腸がんはゆっくりと進行する特徴があり、多くの場合、最初は良性のポリープとして発生し、時間をかけてがんへと変化します。進行すると腸の通過が妨げられたり、出血を起こしたりするため、腹痛や便通異常として現れます。日本では年々患者数が増加しており、特に40代後半から高齢の方に多くみられるといわれています。早期の段階であれば治療の選択肢が広がり、完治を目指せる可能性が高くなるため、早期発見が非常に重要となります。

大腸がんの初期症状にはどんなものがありますか?

大腸がんの初期症状は非常に乏しく、多くの患者様が日常生活の中で異変に気付かないまま過ごしています。初期の段階では痛みもなく、便の通過にも影響しないため、自覚症状がほとんどありません。少し進行すると、便に血が混じる、便が細くなる、下痢と便秘を繰り返す、腹部の張りを感じるなどの変化が現れることがあります。しかし、これらの症状は痔や大腸炎など他の病気でも起こるため、症状だけで大腸がんと判断することは難しいといわれています。そのため、便潜血検査や大腸カメラを受けることで、より確実に早期発見することが重要です。

大腸がんはどのようにして診断しますか?

大腸がんの診断で最も重要な検査は大腸カメラです。大腸カメラ検査では、内視鏡で大腸の粘膜を直接観察し、腫瘍の有無、広がり、特徴を詳しく確認することが可能です。疑わしい部分が見つかった場合には、その場で組織を採取して病理検査を行い、がんであるかどうかを確定することも可能です。

大腸がんは予防できますか?

大腸がんは生活習慣と密接に関連しているため、生活習慣の改善によって予防することが可能な病気といわれています。食事では、肉類や脂肪分の多い食事はリスクを高めるといわれており、野菜や果物、食物繊維の摂取を増やすことが推奨されています。また、適度な運動習慣や禁煙、節酒も大腸がん予防に効果的となります。さらに、大腸ポリープを早期に発見して切除することは、大腸がんの発生そのものを防ぐ最も確実な予防法となります。40代以降の方や家族に大腸がんの方がいる場合は、定期的な大腸カメラ検査を受けることが大切です。

便潜血検査で陽性になった場合、大腸がんの可能性は高いですか?

便潜血検査で陽性と判定された場合は、大腸がんの可能性も考えられます。便潜血陽性の原因には、大腸ポリープ、痔、炎症性腸疾患など、がん以外の病気も多数含まれます。しかし、大腸がんの早期発見において便潜血検査は非常に重要な役割を果たしており、陽性であった場合には必ず大腸カメラ検査を受けることが推奨されています。そのため便潜血陽性の方は大腸カメラによって、がんの有無や病変の場所を正確に診断するようにしましょう。

大腸がんは遺伝することがありますか?

大腸がんには遺伝的要因が関与することがあります。家族の中に大腸がんの方が複数いる場合や、若い年齢で大腸がんを発症した家族がいる場合には、通常よりも発症のリスクが高くなる可能性があります。特に「家族性大腸腺腫症」や「リンチ症候群」と呼ばれる遺伝性の疾患では、大腸がんのリスクが極めて高く、早期の段階から定期的な大腸カメラ検査が必要になります。家族歴がある方は、早めに医師へ相談し、適切な検査計画を立てることが大切です。

大腸がんはどのように治療しますか?

大腸がんの治療方法は、がんの進行度によって大きく異なります。早期の大腸がんであれば、大腸カメラを用いた内視鏡治療でがんを切除できる場合があります。より進行したがんでは、外科手術によって腫瘍を取り除き、必要に応じて抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせます。治療法を選択する際には、がんの大きさ、深さ、転移の有無、患者様の体力などを総合的に判断することが重要です。

大腸がんは早期に見つかれば治りますか?

大腸がんは早期に発見できれば治る可能性が高い病気といわれています。早期の段階では内視鏡治療のみで完治できるケースが多く、身体への負担も小さく済みます。進行した状態でも適切な手術や治療を行うことで治療効果が期待できますが、早期であるほど予後は良好になります。症状がない段階での検査が重要であり、特に40代以降の方や家族歴のある方は、定期的な大腸カメラ検査を受けることが最も効果的な早期発見につながります。

大腸がんの手術後はどのような生活になりますか?

大腸がんの手術後の生活は、手術の範囲や体調によって変わりますが、ほとんどの方が徐々に日常生活へ戻ることができます。手術後しばらくは食生活に注意が必要となり、消化に良いものから徐々に通常の食事へ戻していきましょう。体力の回復には個人差がありますが、無理をせず少しずつ活動量を増やすことも大切です。また、再発の確認のために定期的な診察や検査が必要になります。

大腸がんを早期発見するためには何をすればよいですか?

大腸がんを早期に発見するためには、定期的な検診と大腸カメラ検査が最も重要となります。便潜血検査は手軽に受けられる検査であり、異常の早期発見に役立ちますが、大腸がんを完全に除外するためには大腸カメラが必要となります。症状がない方でも、40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けることが推奨されています。また、生活習慣を整え、適度な運動を取り入れ、バランスの良い食事を心がけることも予防につながります。日々の健康管理と定期的な検査によって、大腸がんは早期に発見しやすい病気といわれています。

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